このページは過去にFunrideに掲載された記事です。
目次
日々のトレーニングや試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、アスリートにとってエネルギー補給は非常に重要です。
前回に引き続き、DM三井製糖の宮崎さんにパラチノースが持久系スポーツに適している理由をインタビュー形式でお聞きしつつ、トレーニング前後のエネルギー補給でアスリートからも注目されているマルトデキストリンと砂糖の違い、パフォーマンス向上における効果的な利用方法や摂取に関する注意点もご紹介します。
この記事を読めば、それぞれの目的に対して最適な選択ができるようになるでしょう。ぜひ最後まで読み進めて、あなたのアスリートとしてのポテンシャルを最大限に引き出しましょう!
-パラチノースは吸収がゆっくりだということが、わかりました。
では、実際に糖質はどのように使い分ければよいのでしょうか。
宮崎さん(以下、宮):運動の内容によって(糖質を)使い分けることが重要です。
例えば、「今すぐにエネルギーが欲しい!」 という時には吸収が早い糖質を摂取するとよいでしょう。しかし吸収が早いぶんだけ、すぐにエネルギーとして使われてしまいますので、こうした糖は瞬発系の運動にいいと思います。
また、身体の中の糖が枯渇してしまった危機的な状況のときなどに、すみやかにエネルギーを身体に行き渡らせたい(吸収したい)というときにも効果が高いといえますね。
対して長時間、一定のボリュームのエネルギーを使うような場面、まさにサイクリングやランニングといった持久系のスポーツにおいてはパラチノースが適していると思います。ゆっくり吸収されることで、少しずつ長くエネルギーを供給し続けるので、運動のパフォーマンスをサポートし続けるのです。これが持続型エネルギー源と言われる所以です。
-なるほど! 糖質を使い分けるとよいパフォーマンスを発揮できそうですね。ところで、砂糖とパラチノースのカロリー量(エネルギー量)は同じですか?
宮:そうです。パラチノースは吸収がゆっくりですが、エネルギー(熱量)は普通の糖と同じく、4kcal/gと変わりません。
-余談ですが、糖質にはどれくらいの種類があるのですか?
宮:一概に何種類と示すことが難しくて、何千何万種類にも及びますね。例えば、アミノ酸の場合、複数がつながっていくとペプチドになって、さらにつながっていくとタンパク質になっていきますが、糖質も同じで複数つながっていくとデキストリンになり、でんぷんなどの炭水化物はさらに糖類がつながった物質なのです。
その中で、一般的に聞きなれた糖質は10種類くらいだと思います。その中でもブドウ糖、果糖、マルトデキストリンなどはエナジーフードやスポーツドリンクによく使われているので聞き覚えもあるのではないでしょうか。
マルトデキストリンとパラチノースを使ったレース中でも片手でようかんを押し出すだけで、手軽においしくエネルギーチャージができるスポーツようかん。
宮:ここからはスポーツようかんにも入っているマルトデキストリンについての解説とよく比較される砂糖との違い、そしてパラチノースを組み合わせた効果的な協議中の糖質補給についてお伝えします。
マルトデキストリンと砂糖は、どちらも炭水化物の一種であり、体内で分解されてエネルギー源となるブドウ糖などを供給します。しかし、その化学構造や消化吸収速度、体内での働き方には違いがあります。
マルトデキストリンは、トウモロコシや米、ジャガイモなどのデンプンを酵素で分解して作られる水溶性の多糖類です。デンプンを構成するブドウ糖が鎖状に繋がった構造をしてますが、マルトデキストリンは、デンプンよりも鎖が短く、消化吸収が早いのが特徴です。
マルトデキストリンは、スポーツ用途以外にも、甘味を加える、とろみをつける、保存性を高めるといった目的で広く利用されています。
マルトデキストリンは前述の通りブドウ糖が複数繋がった構造を持つ多糖類なので、吸収に時間がかかりそうに思いますが、糖の吸収速度を示すGI(グリセミックインデックス)ではかなり高い値を示します。
WEBで調べるとマルトデキストリンは「難分解性でゆっくり吸収される」といった記述もありますが、特殊なマルトデキストリンを除き、一般的なものは素早く吸収されるものが多いです。
マルトデキストリンと砂糖は、どちらも体内で分解されて最終的にはブドウ糖となり、エネルギー源として利用されます。しかし、砂糖はブドウ糖の他に低GIな果糖という成分も含まれており、果糖は肝臓で脂肪になりやすいため、エネルギーになる時間はマルトデキストリンよりも遅いと言われています。
マルトデキストリンや砂糖を摂取するタイミングは、目的に合わせて調整する必要があります。運動前に摂取する場合は、運動開始の30分~1時間前を目安に、運動中に摂取する場合は、こまめな摂取を心がけましょう。
競技中の糖質補給には、即効性のある砂糖やマルトデキストリンと、持続性のあるパラチノースを組み合わせるのが効果的です。スタート直前や、運動強度が上がる場面では即効性の糖を、長時間の運動中にはパラチノースを摂取することで、効率的にエネルギーを補給できます。
この記事の監修者
DM三井製糖株式会社 宮崎大地
2014年に製糖最大手の三井製糖に入社。
研究者としてパラチノースと糖尿病の研究などに従事。2019年にパラチノースを使用したスポーツ向け商品ピュアパラを開発。
以降パラチノースとスポーツに関するマーケティングに従事。
vol.1:パラチノースが持久系スポーツに適している理由1「パラチノースって何ですか?」
vol.2:パラチノースが持久系スポーツに適している理由2「糖質を使い分けてみよう」(今回の記事)
vol.3:パラチノースができるまで
vol.4:パラチノースって、どうして「パラチノース」って呼ばれているの
vol.5:パラチノース利用テクニック編「摂取するタイミングを見定めよう」
vol.6:パラチノースをスポーツで利用するためのテクニック 「市販のスポドリがスペシャルドリンクに!?
vol.7:パラチノースを使った補給食の作り方をプロチームマッサーの宮島正典さんに聞いてみた!【基本編】
vol.8:パラチノースを使った補給食「ライスケーキ」の作り方をプロチームマッサーの宮島正典さんに聞いてみた!【アレンジ編/後編】
vol.9:パラチノース/富士チャレ攻略編
vol.10:パラチノースを使った補給食にぴったり。アスリート向けお菓子のかんたんレシピ
ゆっくり吸収される性質から、持続的にエネルギーを供給できる。
スポーツ、勉強、eスポーツなど、長時間エネルギーが必要な場面に適しています。
パラチノース®は、てん菜から作られた砂糖を酵素変換したもので、
自然界では、はちみつなどに微量に含まれる糖質の仲間です。
すっきりとして甘すぎず、
飲みやすい味です。
料理や飲料などに使用しても
素材の味を邪魔しません。