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マラソンは体力と精神力の極限に挑むスポーツ。自身のパフォーマンスを最大限に発揮するために、当日は万全の体調でスタートラインに立ちたいですね。そんなレース本番へ向けての土台を作るのが「食事」です。
この記事では大会の直前までに準備しておきたいことと併せて、マラソン大会当日の食事、特に朝食に焦点を当て、何をどのように食べるべきかを具体的に解説していきます。
この記事の監修者
DM三井製糖 研究開発部
坂崎 未季
2016年にDM三井製糖株式会社に入社。パラチノースにおける健康寿命の延伸やスポーツパフォーマンスの向上に関する研究に携わる。働きながら博士課程に進学し、2024年にスポーツ科学の博士号を取得。
マラソン本番で実力を発揮するには、日頃の準備が欠かせません。まずは食事以外にも押さえておきたい重要なポイントを紹介します。
マラソンは計画的な練習が不可欠です。自身の体力レベルや目標タイムに合わせて、無理のない練習スケジュールを立てましょう。特に大会が近づくにつれて練習量を調整していく「テーパリング」と呼ばれる期間を設けることが重要です。
大会直前ではつい熱が入り練習量を多くしたくなりますが、厳しい練習が続くと疲れが溜まり本番でパフォーマンスを発揮できないことも。そうならないために行うのが、レースが近づくにつれ練習量を徐々に減らし、大会当日にコンディションのピークが訪れるようにするテーパリングです。練習量の調整は大会の2~3週間前から行うのがおすすめです。
ただし、練習の量は減らしても走るスピードは落とさないようにご注意を。
本番が近づいてきたら、しっかりと回復することと体力を維持することを念頭において過ごしましょう。
マラソン大会では、スタート地点で長時間待機することがあります。体が冷えてパフォーマンスが低下しないように防寒対策は万全にしましょう。
体温維持のために使い捨てカイロやウィンドブレーカーなどを活用するのもおすすめです。スタート直前まで着ていられるウェアを準備しておき、ウォーミングアップを終えてからスタート直前に脱ぐと良いでしょう。
本番に向けての食事ではエネルギーを十分に蓄えておくことを意識するのが重要です。レース数日前から計画的に食事を摂るようにしましょう。
カーボローディングとは、レース前に炭水化物を積極的に摂取することで、体内にグリコーゲンとしてエネルギーを蓄積する方法です。グリコーゲンは筋肉や肝臓に貯蔵され、運動時の主要なエネルギー源となります。カーボローディングを行うことで、より長く走り続けるためのエネルギーを確保することができます。
カーボローディングには「糖質を吸収しやすくなる状態にして(糖輸送体の発現を増加)、運動中の糖質補給時の胃腸の不快感等を減らす」というメリットもありますので、ぜひ取り入れてみてください。
具体的には、レース3~4日前レース前36-48時間(1.5~2日間)から炭水化物などの高糖質食の摂取量を増やしていきます。ご飯、パン、麺類などの炭水化物を中心とした食事を心がけましょう。
マラソン当日の朝食は、スタートからゴールまで走り切るためのエネルギー源となります。ここでは、朝食のどのようなものを摂るべきか、その重要性について詳しく解説します。
マラソンでは、大量のエネルギーを消費します。そのエネルギー源として重要なのが糖質です。糖質は体内に蓄積できる量が限られているため、朝食でしっかりと補給しておく必要があります。ご飯やパン、麺類などの糖質を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
おすすめのメニューは、うどん、おかゆ、トーストなど。また、心身ともに整えるにはこの日だけの特別なメニューではなく普段から食べ慣れているものを選ぶことが重要です。
さらに気にかけておきたいのが朝食の量や食べるタイミングです。朝食をたくさん食べ過ぎると、スタート時に胃もたれを起こす可能性があります。逆に、少なすぎるとエネルギー不足に陥ってしまうことがあります。ご自身の胃腸の強さや活動量を考慮して、適切な量を食べるようにしましょう。
レース当日の朝食はスタートの2〜3時間前までに食べ終えるのがおすすめです。また、食事の内容や量については個人差がありますので、事前に自分に合ったメニューや分量を把握しておくことが重要です。
実際にどういうメニューを食べたら良いかお悩みの方に、マラソン当日の朝食におすすめのメニュー例を注意点とともに紹介します。
レース当日の朝食で摂取する糖質量の目安は1.5〜2.5g/体重kgです。使用する食材や調理法によって変動する可能性はありますが、下記を参考に食事を組み立ててみてください。
<一般的なメニューごとの糖質量>
メニュー名 | 分量 | 糖質量 |
---|---|---|
6枚切り食パン | 1枚(約 60g) | 26.6g |
ご飯(白米) | 茶碗小1杯(約 150g) | 55.2g |
おにぎり(コンビニサイズ) | 1個(約 100g) | 37.9g |
うどん(ゆで麺) | 1玉(約 250g) | 52.0g |
バナナ | 1本(約 100g) | 21.4g |
ヨーグルト・全脂無糖 | 小カップ1個(約 80g) | 3.9g |
厚焼き卵 | 100g | 6.5g |
焼き魚(シャケ) | 100g | 0.1g |
味噌汁(豆腐とわかめ) | 1杯 | 3.9g |
白米よりも消化が良い「おかゆ」や食物繊維が少なく胃に優しい「うどん」、柔らかく調理された「野菜」は紹介に良いので、レース当日の食事におすすめです。
糖質を効率よく摂りたい方はヨーグルトにパラチノース®を混ぜる簡単アレンジメニューをぜひお試しください。お好みのヨーグルトにピュアパラスティックを1本(20g)混ぜるだけで体に負担をかけずに糖質がとれます。
パラチノース®はゆっくり吸収される性質を持つ、天然由来のエネルギー源です。その特性から体に負担がかかりにくく、長時間エネルギーが必要な場面に適しています。
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タンパク質を多く含む食事や脂質の多いメニューは消化に時間がかかり胃腸に負担をかけやすいため、マラソン当日の朝食では控えるようにしましょう。ただし、絶対に避けるべきというわけではなく少量であれば問題ありません。
レースの直前にも軽食や補給食でエネルギーを補給しておくことがおすすめです。具体的なメニューを紹介します。
消化が良くエネルギーに変換されやすい糖質を多く含むバナナやカステラは、レース直前の補給食として最適。持ち運びにも便利で入手しやすいので、スタート前に手軽にエネルギーをチャージすることができます。
エネルギーゼリー(ジェル)は、手軽に糖質を補給できる便利なアイテム。コンパクトで持ち運びやすく、レース中のエネルギー補給にも適しています。
IOCのガイドラインでは、レース直前は低GIの糖質の摂取が推奨されています。先ほどご紹介したパラチノース®はゆっくり吸収される性質を持つため、レース直前の補給にもぴったりです。持ち運びしやすい20gのスティックタイプの「ピュアパラ」なら、水やお好みのドリンクに溶かしてさっと摂取することができます。
レース中にエネルギー切れを起こさないようにこまめなエネルギー補給が重要です。補給のタイミングやその方法をチェックしておきましょう。
レース中は30分から1時間おきに糖質を補給するようにしましょう。補給量の目安は、1時間あたり30~60gの糖質を摂取するのが良いでしょう。ただし、個人差があるため、練習を通して自分に合った補給のタイミングや量を把握しておくことが大切です。
レース中は汗によって水分やミネラルが失われるため、こまめな水分補給も重要です。また、水だけでなくスポーツドリンクなどで糖質や電解質も一緒に補給することで、より効果的にエネルギーを補給することができます。
マラソンレース中の補給のために糖質を含むスペシャルドリンクを用意するのもおすすめです。パラチノース®が個包装になったになったピュアパラスティックは、さらさらした粉末タイプで使いやすく、砂糖の約半分の甘さで後味もすっきり。スポーツドリンクや水に混ぜても飲みやすいのでぜひ取り入れてみてください。
水分補給は重要ですが、過度な摂取は低ナトリウム血症のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。水分(低張液)の過剰な補給は血中のナトリウム濃度を低下させ、疲労感、頭痛、嘔吐、重症化すると痙攣、意識障害などを起こしてしまう可能性があります。人それぞれ適切な水分量は異なりますが、「のどの乾きを感じたら水を飲む」というのがひとつの目安です。塩分を含んだタブレットなどを摂取することも有効です。また、レース前に医師や管理栄養士に相談するのも良いでしょう。
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マラソン当日に最高のパフォーマンスを発揮するためには、食事は非常に重要な要素です。練習と同様に何をどのように食べるかにも重きを置いて万全の状態でスタートラインに立ちましょう!
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ゆっくり吸収される性質から、持続的にエネルギーを供給できる。
スポーツ、勉強、eスポーツなど、長時間エネルギーが必要な場面に適しています。
パラチノース®は、てん菜から作られた砂糖を酵素変換したもので、
自然界では、はちみつなどに微量に含まれる糖質の仲間です。
すっきりとして甘すぎず、
飲みやすい味です。
料理や飲料などに使用しても
素材の味を邪魔しません。