色とりどりなライスケーキ

ライスケーキの作り方を教えてくれたのは
宮島正典さん
2008年から海外のプロ自転車ロードレースチームに所属し、選手のコンディションを整えるマッサーとして活動を続けています。世界のトップ自転車チームを渡り歩き、現在はオーストラリアのプロチーム、バイクエクスチェンジ・ジェイコに所属。
東京五輪では日本代表自転車ロードチームマッサーで参加
鍼灸師あん摩マッサージ指圧師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
Twitter/masa1007
ライスケーキという補給食が、優れた既製品が提供されるこの時代にどうして人気なんでしょうか。
宮島さん : 当時、チームスカイ(現:イネオス・グレナディアス)が積極的にライスケーキを補給食に使い始め、勝利も多く挙げていたことが大きな影響を与えたのでしょうね。 普通に考えたら行なったほうが良いことを自転車界ではやってないということがたくさんありました。 他のスポーツと比べて習慣が少し変わっている部分があります。 しかしヨーロッパもアメリカ、イギリスの情報が入っていて、少しずつ変わってきています。このライスケーキの話もその一端といえますね。
チームによってはココナッツミルクで炊いたりしていましたね。あるチームはリンゴジュースで炊き、リンゴのコンポートを入れるというものもあります。
なんだかとても美味しそうですね。
宮島さん : ほかにもベルギーではメジャーなライスとクリームチーズのお菓子(タルト・オ・リ)と似たようなライスケーキが提供されていました。寒い時期の運動強度が高いレースのときはたくさん食べないと走れないので、そういったしっかりとエネルギーが摂れる補給食を活用しているのでしょう。
ライスケーキに対する選手たちの反応は?
宮島さん : しっかり食べてくれますね。ジャムパンよりもエネルギーが摂れるという感触はあります。また既製品ではできない味のチョイスができる。 好みによってもっと甘くするとか違う味にアレンジしたり、自分達で素材を調整することができるのが大きなメリットです。当然、時間やコストはかかります。
ミラノ〜サンレモといった距離の長いクラシックレースの時などはこのスロークッカーをいくつも用意して、数人のスタッフと膨大な数を仕込みました。
また、チームによっては1回のレースでも3〜4種類のライスケーキを作ることもあります。
【COLUMN:補給テクニック】
「春先のレースでは悪天候で気温が低くなることがあります。非常に寒い中これから峠の長い下り…というシチュエーションでは、ホットティを提供することがあります。峠の頂上などで下る前に渡します。
砂糖を入れて甘くしますが、10ℓに対して1kgの砂糖を使います。
ボトルいっぱいには入れません。ひと口、ふた口くらい飲めればよいのです。多くても半分くらいの量です。
温度は、喉越しがよいように人肌よりもちょっと暖かめ。お腹の周りがスーッと暖まるようにするのが目的です」
これをパラチノース®に代替してもよさそうです。
1度のレースでおおよそどれくらいの補給を行うのでしょうか?
宮島さん :
レース中の補給食の量ですが、スタートの時にライスケーキ1〜2個、ジャムバンを1〜2個、ジェルやバーを携帯するくらいですね。
補給地点ではチームによって内容は異なりますが、当チームはサコッシュでライスケーキ1個、ジャムパン1個、タルト1個、ジェルとバーが2本ずつといった構成が基本ですね。
提供する量ははっきり言って読むのが難しいです。スピードが緩いレースのときは結構食べてくれたり、ハードなステージはサコッシュも摂らなかったりします。
同じコースでも年度によっては気温も違うし、状況はいつも違うのでベーシックな量というのが判断しにくいです。
もちろん、多めに作っておいて、要求には応えられるようにはしていますね。
選手の好みにはどれくらい応じるものですか?
宮島さん :
選手の好みに対してはスタートの時は準備をしてあげますが、レースの最中に渡すサコッシュに入れるものはすべて同じものにしています。各選手に選んで渡すことは非常に難しいですから。
選手も人ですから好みは当然ありますし、性格的なところも大きいです。「“あれ”がないと走れない」と好みを主張する選手もいますね(笑)。ベテラン選手ほど文句を言わず、臨機応変に対応してくれます。
選手に人気の”ココアビスケット”入りライスケーキ
ライスケーキにはバリエーションがあり、選手が飽きずしっかりと食べてもらえるような工夫をするそうです。
そこで選手から好評を博しているという、ココアビスケット入りのライスケーキのレシピをご紹介します。基本編のライスケーキのレシピに、アプリコットジャムと、ココアビスケットを追加するだけ。
この要領でご自身で作る時に好きな食材でアレンジしてみてください。
材料

ライスケーキ(ココアビスケットタイプ) 12ポーション※1ポーションあたり約150kcal
- 材料:分量
-
●お米(リゾット米):250g
●水:500ml
●パラチノース® :1包(20g)
●ココナッツオイル:大さじ3〜4
●シナモンパウダー:15〜20振り
●アガベシロップ:50g前後
●アプリコットジャム:50g前後
●ココアビスケット:6枚程度
※1ポーションあたり約150kcal

ライスケーキ炊き上げまでの行程は基本編と同じです。(詳しい内容はこちら。)

ライスケーキが炊き上がるまでに、ココアビスケットを袋などに入れて潰します。

潰す大きさは好みで結構ですが、細かすぎないほうがビスケットの風味や感触を楽しめます。

ココアビスケットを炊き上がったライスケーキの入ったスロークッカーに混ぜていきます。

つぎにアプリコットジャムをたっぷり入れていきます。50g前後を基準に調整をしてください。

しゃもじなどをつかってしっかりと混ぜていきます。「ココアビスケットと甘酸っぱいアプリコットジャムの相性は抜群なんですよね」と宮島さん。

混ぜ終わったら温かいうちにファスナー付きのプラスチックバッグに入れます。ファスナーに付着すると密閉が弱くなってしまいますので気をつけましょう。

プラスチックバッグ内部の空気を抜きながら、ライスケーキを平たく整えていきます。

一晩冷蔵庫で冷やします。ライスケーキに含まれているココナッツオイルなどがつなぎとして形状を保ちます。

ベーシックなライスケーキとは大きくビジュアルが変わり、褐色の色合いになったココアビスケット入りのライスケーキ。美味しそうですね。
試食
さて、どんなテイストに仕上がっているのでしょうか?
・ジャムの酸味が爽やかで美味しいですね。
・結構いけちゃうので、食べすぎちゃいますね(笑)
・オレンジピールとチョコレートを掛けあわせたお菓子の風味に似ていますね!
・冷やしてもリゾット米のおかげか頬張ってもパラパラと口の中でほぐれて食べやすい!
走りながらも食べやすい補給食の包み方

食べやすい大きさにカットします。お米の分量を250gで作った場合は12ポーションくらいに分けましょう。

カットしたら、アルミホイルなどのシートで食べやすいように包みます。
試補給食の食べやすい包み方

片手でも中身が取り出しやすい包み方をご紹介します。
長方形サイズにシートをカットするなどして整えます。ライスケーキは中央におきます。
この包み紙はアルミホイルと付着しにくいフィルムの複合素材で、折り目がしっかりとつく厚めの素材です。
日本でもおにぎりやサンドイッチを包む特殊フィルム加工が施されたシートがありますので、工夫して使ってみてください。
ライスケーキの包み方を動画でご紹介します(音声に注意してください)。

パラチノース®入りライスケーキの完成です。
やっぱりすごいパラチノース®

今回のライスケーキ特集で登場したアガペシロップという甘味料がありました。前回の記事でも触れましたが低GI値であることで知られています。プロチームでは意図的に低GI値の甘味料を採用しているとのことで、同じく低いGI値のパラチノース®の特徴が自転車ロードレースといったエンデュランススポーツに適しているということが浮き彫りになりました。

ピュアパラシリーズ
- ピュアパラ(ノンフレーバー)1kg
- 1,980円(税込)
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栄養成分(100gあたり)
エネルギー : 380kcalたんぱく質 : 0g脂質 : 0g炭水化物 : 94.9g糖質 : 94.9g食物繊維 : 0g食塩相当量 : 0g - ピュアパラ スティック20g×10袋入り
- 980円(税込)
-
栄養成分(1袋:20gあたり)
エネルギー : 76kcalたんぱく質 : 0g脂質 : 0g炭水化物 : 19g糖質 : 19g食物繊維 : 0g食塩相当量 : 0g
写真 : 小野口 健太
Author profile ファンライド編集部
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。