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DM三井製糖株式会社は2025年4月、日本人自転車競技者の能力を最大限に引き出し、金メダリストに育て、日本を世界の自転車競技を牽引するというビジョンを掲げている公益財団法人日本自転車競技連盟の強化センターであるHPCJC(ハイ・パフォーマンス・センター・オブ・ジャパン・サイクリング)とサプライヤー契約を締結し、パラチノース®の提供を通じて日々のトレーニングや競技現場をサポートしています。
自転車競技では、瞬発力と持続力の両立が欠かせません。長時間にわたるレースでは、どんなタイミングで、どんな形でエネルギーを摂るかがパフォーマンスに影響します。
HPCJCでは、日常の食事から練習時のドリンクづくりまで、選手一人ひとりに合った補給設計を追求しているとのこと。
今回の取材では、トラック/ロードで活躍する3名の選手と、チームを食の面から支えるスポーツ栄養士に、競技や日々の取り組み、そしてパラチノース®の使い方について話を伺いました。
高校入学と同時に自転車競技を始めた窪木選手。たまたま見学に訪れた自転車競技部に入部したのが、現在の道へのはじまりでした。
「中学校までは団体競技(サッカー、バスケ)をやっていましたが、大会での結果はよくても東北大会や地方大会出場止まりで、個人の力ではどうしようもできない団体競技の難しさを感じていました。高校に入ったら何か新しいことをやりたいと思っていたところ、たまたま見学に行った自転車競技部に声をかけてもらい入部しました。そこにいた同じ町の先輩が日本代表に選ばれるほど強かったんです。先輩が着ていた日本代表のジャージがすごく格好良くて、それに憧れたのも自転車を始めた理由のひとつです。」
その後、多くの大会で着実に実績を残していった窪木選手は、2024年世界選手権トラック・スクラッチ種目で日本史上初の世界王者に輝くという偉業を成し遂げました。
「自転車競技を始めた頃から、世界一の証である虹色のジャージ(通称:アルカンシェル)に憧れていました。高校や大学の時に待ち受け画面にしていたほどです。そのジャージを手にすることができたのは本当に光栄で嬉しくありつつ、どこか夢見心地で信じられない気持ちでした。実感も少しずつ湧いてきていますが、当時は光栄ながらもちょっと恐縮していました。でも、もう一度獲りたいという気持ちもあります。」
世界王者の座を手にした窪木選手は、どんなときに競技の面白さを感じているのでしょうか。
「“苦手意識を持たない”という気持ちで競技に取り組んでいますが、中でも得意なのはチームパシュートやマディソンなどのチーム系の種目です。自転車は個人競技と思われがちですが、もともとバスケットボールやサッカーをしていたので、チーム系の種目が好きですね。チームだと一人で出せない力が出せるし、息がバチッと合った時はゾーンに入っている感じがして心地良いです。」
競技の違いで補給やエネルギーの使い方は変わりますか?という質問に、「全然違います」と答えた窪木選手。練習や競技でのパラチノース®活用法についても語ってくれました。
「僕が走っているトラック競技の種目は15分から30分以内の競技がほとんどですが、マディソンという種目では50分から1時間程度ノンストップで走り続けます。室内温度も30度近くになり、ずっと走り続けて汗をかき続け、栄養補給もできない種目です。そういう時はレースの前や前日から炭水化物中心に栄養をとるようにしています。
パラチノース®はレースの前やウォーミングアップの途中に溶かして飲んでいます。朝食や朝練の時から摂ることもありますね。500mlのスポーツドリンクに混ぜることが多いかな。甘さもくどくないので使いやすいです。ちなみに、僕はコーヒーが好きなのでパラチノース®を溶かして飲むことも多いですね。
『栄養を切らさない』『水分を十分に』ということは一年を通して徹底していて、例えば脱水を防ぐために尿の色のチェックも欠かさず行っています。そのおかげか、若い頃に比べて風邪を引きにくくなったかな、なんて思うこともあります。」
次の大舞台は、チリ・サンティアゴで2025年10月22日(水)〜10月26日(日)に行われる世界選手権。そこへの意気込みと今後の目標について、伺いました。
「去年、世界選手権で優勝することができました。今年は国際大会の数が少なかったので、一番の集大成は世界選手権だと思っています。怪我もしましたが、チリの世界選手権が一番の目標であり課題でもあります。去年の調子の良さを今年も継続しつつ、経験も踏まえてぶつけることができる大舞台なので、とても気合が入っています。その先の最終目標はロス五輪でのメダル獲得です!」
高校入学と同時に自転車競技を始めた小原選手。中学までは陸上部でしたが、進学した高校に陸上部がなかったことから、先輩の誘いで自転車部に入部しました。
「小中学校と仲良くしてもらっていた1つ上の先輩が自転車部に入っていました。中学までは陸上をやっていましたが、進学した高校に陸上部がなかったので、先輩から「一緒にやろう」と誘われたのがきっかけです。高校はグラウンドを所有していなかったため、近くの市営自転車競技場で練習していました。」
実家が自動車修理工場を営んでいることから工業高校に進学。もともとは家業を継ぐつもりだったようですが、ナショナルチームに入ることにしたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか。
「工業高校に入ったのは実家を継ぐ予定だったからなんですが、自転車競技で結果を出せると言われながらも結果が出せずにいて、進学するか実家を継ぐか悩んでいました。そんな時に朝日大学から声を掛けていただき、親に相談したら『やるなら日本一を目指せ。自転車を仕事としてできるくらいやれ。』と言われて。それでプロの道へ行くと決めて朝日大学に進学しました。」
現在はトラック短距離を中心に活動する小原選手。得意種目はスプリントとのことなのですが、どのような点に魅力があるかを伺いました。
「見ていて好きなのも、やっていて好きなのもスプリントですね。ただ、自分が強くなったという実感があるのは1kmタイムトライアルです。練習の成果が如実に出てきます。スプリントは相手をいろいろ研究しないといけないので、相手を研究する能力が上がったりすることが勝敗に出るのが楽しいところです。」
小原選手は2024年パリ五輪ではスプリントで6位入賞を果たしました。その時の心境はどんなものだったのでしょうか。
「外国の選手の映像をよく見ていますし、同じスプリント種目の選手と『この選手の走りにはこういう特徴があるよね』という意見のすり合わせもしながら対戦できました。その結果、今の自分ではありえないところまで行けて、あの時の集中力はすごかったと思いますし、自信にもなりました。」
「パラチノースは練習中からよく使っています。以前はシス(ミネラルタブレット)をよく入れて飲んでいましたが、海外仕様のケミカルな味が合わないと感じていました。あまり味がついているものが好きではなく、その点パラチノース®は500mLにスティックを2本入れても、そこまで甘くならないので、有難いです。」
チームスプリントのように短い間隔で走る場面も多い小原選手。パラチノース®をどのように取り入れているのでしょうか。
「チームスプリントは一日で終わる種目で、予選、一回戦、決勝という勝ち上がり方式です。一回戦と決勝の間が1時間あるかないかなんですが、その間にしっかりパラチノース®を補給しておくと体の動きが安定しやすい感じがするので、多めに摂るようにしています。」
小原選手も2025年10月にチリで行われる世界選手権にチームスプリントでの出場を予定しています。
「去年は銅メダルを獲得できたので、今年はより良い色のメダルを目指したいです。自分自身のコンディションも上がっているので、しっかり結果を残せるように頑張ります!」
ベルギーを拠点に、ロードとトラックの両方で活躍している今村選手。ヨーロッパへ移ってからの変化や手応えについて語ってくださいました。
「日本のレースと違って集団の密度が違います。レースに出場している人数は同じくらいですが、強い選手が多く、みなプロ契約を目指して走るのですごくアグレッシブですね。ベルギーは山がなく、最高でも100メートルくらいの高さしかないので練習も川沿いや平坦な道ばかりなんですが、強い横風が20〜25メートルも吹くとそれがアタックポイントになったりします。日本で走っているレースよりも平坦なのにめちゃくちゃきついレースを経験しています。」
ロードでは一日に4〜5時間走り続けることもあるのだとか。トラックレースからロードレースへと戦いの場を広げたことで、どのような変化があったのでしょうか。
「2024年のパリオリンピックでマディソンという種目に出場しました。そのレースは50キロの距離を50分ぐらいで走り切ったのですが、平均心拍数が180くらいで、僕が今まで経験した中で一番強度の高いレースだったんです。ところが、こちらの大会ではその強度がスタンダードなんです。この状況が当たり前になっていくことで、トラックでどう効果が出るか楽しみです。」
「パラチノース®はドリンクに使うことが多いですが、料理にも使います。極端に甘くしたくない時、例えば煮物で少し甘みが欲しい時に砂糖の代わりに使います。また、サイリウム(食物繊維)の粉を水に溶かしてお餅のようにして食べる時に甘味としても使っています。あとは、練習用のドリンクに使うことが多いです。甘さがやさしいので、料理にも合うのが嬉しいですね。どんな環境でも“いつもの感覚”で補給できるのが心強いです」
「ロサンゼルスオリンピックでのオムニアムとマディソンでの金メダル、そしてチームパーシュートで日本に貢献することを目標にしています。また、こちらでロードレースを走っていて、タイムトライアル種目で日本のチャンピオンジャージを獲得しましたが、ロード種目で獲得するチャンピオンジャージは価値があると感じています。来年は全日本選手権の個人ロード種目を一番の目標にしています。」
オムニアムで金メダルという高い目標を掲げつつ、母国を離れて競技に集中する今村選手の今後に期待が高まります!
HPCJCで選手たちの栄養サポートを行う河村美樹さん。その仕事の内容について伺いました。
「スポーツ栄養は特別なことではなく、様々な栄養学の知識をベースにしています。血液検査には臨床系の知識が、選手からの食品に関する質問には食育の知識が、食中毒を防ぐには衛生面の知識が、それぞれ必要です。栄養士のベースの部分があった上で、対象がスポーツをする人という応用部分があります。様々な選手をサポートすることが好きで、選手から多くのことを学んでいます。
これまで多種多様なスポーツをサポートしてきたのですが、中でも自転車競技は栄養に関するデータが少ないんです。その分、現場で得られる感覚や記録を積み重ねることが大事だと感じています。選手ごとに体質や得意種目も違うので、一人ひとりの“合う補給”を見つけていく作業ですね。」
「2020年2月からHPCJCに入り、東京オリンピックに向けてチームのドリンクをどうするか検討していた時にパラチノース®を使い始めました。
選手たちからは飲みやすいという意見が多いですね。市販のスポーツドリンクは甘すぎて飲みづらいと感じる選手が多いですが、パラチノース®はすっきりした甘さながら、しっかりエネルギーを摂取できるのがメリットです。」
パラチノース®は遠征時に便利な点もあるのだそう。
「粉末で持ち運びやすく、現地でも水に溶かすだけで準備できます。海外では味の濃いスポーツドリンクが多いので、選手からも好評です。」
「実は今、ポン菓子を使ったエナジーバーのようなものを開発しています。パラチノース®とマシュマロを溶かしてポン菓子をくっつけ、緑茶味と黒ごまきなこ味のバーを作っています。市販のエナジーバーやシリアルバーは甘すぎたり脂質が気になったりするので、パラチノース®を使って甘さを抑え、長時間持続するエネルギー源として提供することを想定しています。また、ラムネ(日本の粉末菓子)もパラチノース®で作れないか試しています。」
書籍を出版した経験も持つ河村さんは、若手選手たちへ食の知識を伝導する先生のような存在。これから活躍が期待されるジュニア選手たちへのアプローチについても語ってくださいました。
「ジュニア選手にとっても、食の知識はパフォーマンスの土台になります。いずれは漫画仕立てで楽しみながら学べる“栄養の教科書”を作りたいと思っています。選手が『これなら続けられる』と感じてくれる形で、日常のサポートをしていきたいです。」
トラックでもロードでも、“最後まで力を出し切る”ために欠かせないのは、途切れないエネルギー補給。パラチノース®が飲みやすさと自然な甘さで、選手たちの「続けやすい習慣」として根づきつつあることを嬉しく思います。
今後もパラチノース®は、HPCJCの取り組みと選手をサポートしてまいります。
写真提供:公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)
※本記事は選手および栄養士の個人の体験・感想に基づくものであり、製品の特定の効果・効能を示すものではありません。摂取のタイミングや量は個人の体質・運動状況に応じて調整してください。
ゆっくり吸収される性質から、持続的にエネルギーを供給できる。
スポーツ、勉強、eスポーツなど、長時間エネルギーが必要な場面に適しています。
パラチノース®は、てん菜から作られた砂糖を酵素変換したもので、
自然界では、はちみつなどに微量に含まれる糖質の仲間です。
すっきりとして甘すぎず、
飲みやすい味です。
料理や飲料などに使用しても
素材の味を邪魔しません。